― 子どもたちに、まずゴルフを楽しんでもらいたい ―
これまで、私がレッスンを通じて学んできたことや、ドラコンへの挑戦、そして本の出版について書いてきました。
今回は少し時間を戻して、私が初めて出版したゴルフレッスン書について書いてみたいと思います。
私が本格的にレッスンを始めたのは、36〜37歳頃だったと思います。
その頃、私はジュニアのレッスンにも力を入れていました。
私自身も、家族からゴルフを教えてもらった
以前にも少し書きましたが、私がゴルフを始めたきっかけは母親でした。
母がゴルフの練習をしていて、そこについて行ったことから私もゴルフを始めました。
父親や叔父たちもゴルフをしていましたので、子どもの頃から家族と一緒にゴルフ場へ行く機会もありました。
当時、私は野球もやっていました。
野球も大好きでしたが、ゴルフにはまた違った楽しさがありました。
広い緑の中で打ったボールが遠くへ飛んでいく。
そして最後には、小さなカップにボールを入れる。
子どもだった私には、その一つ一つがとても新鮮でした。
何より、年齢に関係なく家族で一緒に楽しめるということも、ゴルフの大きな魅力だったように思います。
「いつか家族でゴルフをする時代が来る」
私がジュニアレッスンを始めた頃は、今ほど子どもたちがゴルフをする環境は多くありませんでした。
それでも私は、
「これからは家族でゴルフを楽しむ人がもっと増えていくのではないか」
と思っていました。
そして、それはゴルフ界にとっても大切なことではないかと考えていました。
自分自身が家族をきっかけにゴルフを知り、その楽しさを経験したからこそ、今度は子どもたちにもゴルフを楽しんでもらいたい。
そんな気持ちが、ジュニアレッスンの根底にはあったように思います。
上手くなる前に、まず「楽しい」
当時は、スポーツを教えるというと、今よりも「厳しく教える」という考え方が強かった時代だったように思います。
しかし、実際に小さな子どもたちを長く教えていると、私自身もいろいろなことを学びました。
その一つが、
「楽しくなければ続かない」
ということでした。
もちろん、ゴルフが上手くなるためには練習も必要です。
ただ、子どもに最初からスコアだけを目標にさせても、なかなか上達を実感できません。
ゴルフは、実際にコースへ出てスコアとして結果が表れるまでに時間のかかるスポーツだからです。
そこで私がジュニアスクールで取り入れていたのが、進級する仕組みでした。
一つできたら次へ。
また一つできたら次へ。
スコアだけではなく、
「できた!」
という小さな達成感を感じてもらうことを大切にしました。
子どもに伝わる言葉を考える
教え方についても同じでした。
大人に使うような難しいゴルフ用語をそのまま説明しても、子どもにはなかなか伝わりません。
そこで、
「ブランコのように振ってみよう」
といったように、子どもがすぐにイメージできる言葉を使うようにしました。
グリップについても、子どもたちが理解しやすいように工夫しました。
今振り返ってみると、この頃から私は、
「どうすれば難しいことを、できるだけ分かりやすく伝えられるだろう」
ということを考えていたのだと思います。
これは、その後の私のレッスンにもずっとつながっています。
ジュニアレッスンが、最初の本になった
そんな活動を続けていた頃、ゴルフ部時代の後輩が、雑誌関係の方々との縁をつないでくれました。
そこからゴルフ雑誌などに掲載していただく機会が増え、出版社の方々とお話しすることも多くなりました。
私はそこで、
「子どもたちにゴルフを楽しんでもらいたい」
「これから家族でゴルフを楽しむ時代が来るのではないか」
「子どもには、こんなふうに教えると分かりやすい」
といった、自分がジュニアレッスンで感じていたことを話していました。
その中で、ある編集者の方を紹介していただきました。
ここではNさんとしておきます。
Nさんから、
「ジュニアのレッスン本を作りませんか」
というお話をいただきました。
それが、私にとって最初のレッスン書を出版するきっかけになりました。
子どもだけではなく、お父さん、お母さんにも
私が作りたかったのは、単に子どもが読むためだけの本ではありませんでした。
むしろ、
「自分の子どもにゴルフをやらせてみたい」
と思っているお父さんやお母さんにも読んでいただきたいと思っていました。
ゴルフを始めた子どもに、最初から難しいことを教える必要はない。
まずはゴルフを好きになってもらう。
そして、
「できた」
「飛んだ」
「カップに入った」
という楽しさを感じてもらう。
私が実際のジュニアスクールで行っていた進級の考え方や、子どもにも分かりやすい説明、普段のレッスンで使っていた練習方法などを、一冊の中にまとめていきました。
それが、私の著書としてのスタートになりました。
一冊の本から始まった「縁」
その後、私はさまざまなゴルフレッスン書を出版させていただくことになります。
しかし、すべての始まりは、このジュニアレッスンの一冊でした。
そしてもう一つ、この本が私に残してくれた大切なものがあります。
それが、Nさんとの出会いでした。
この時にはもちろん、その出会いが20年以上経ってから、もう一度私のゴルフ人生に大きく関わってくるとは思っていませんでした。
長い年月が経ったある日。
Facebookを見ていた私の画面に、懐かしいNさんの名前が出てきました。
そこから、私の60歳を過ぎてからの新しい挑戦が始まることになります。
次回は、そのNさんとの再会と、私がYouTubeを始めることになった経緯について書いてみたいと思います。






