― ドラコン全国大会で学んだこと ―
前回、ドラコン競技への最初の挑戦では予選3位に終わり、6球のうち枠の中に入ったのはわずか1球だったことを書きました。
そこから私は、自分の身体について学び、練習方法を見直しました。
そして数か月後、もう一度予選会へ挑戦しました。
「何をすべきか」が分かっていた
最初の予選会と大きく違っていたのは、飛距離だけではありませんでした。
身体について学び、自分なりに練習を重ねたことで、
「自分は何をすればいいのか」
が以前より明確になっていました。
会場に立ってフェアウェイを見ると、決して広くは感じませんでした。
それでも、最初の挑戦の時ほど不安はありませんでした。
そして1球目。
しっかりと枠の中を捉えることができました。
これは自分にとって、とても大きな一球でした。
最初の大会では「枠に入れなければ」という気持ちから、思い切って振れなくなっていました。
ところが今回は、最初の一球が入ったことで、その後もしっかり自分のスイングをすることができました。
結果は、予選1位通過。
最初の挑戦で決勝へ進めなかった自分が、数か月後には1位で予選を通過することができました。
これは、自分にとって一つの自信になりました。
ドライバー1本を持って鹿児島へ
そして全国大会の会場、鹿児島へ向かいました。
プロゴルファーとして、これまでにも試合で地方へ行くことは何度もありました。
しかし今回は違います。
持っていくクラブは、ドライバー1本だけ。
そのドライバーで何球か打つために、鹿児島まで行く。
それが自分にとって、とても新鮮でした。
「一体どんな大会なんだろう」
いつものゴルフとはまったく違うワクワク感があったことを、今でも覚えています。
華やかな大会の裏側で
会場に着くと、選手が入場するゲートや観客席などが準備されていて、普段のゴルフ競技とは違った雰囲気がありました。
ただ、私が印象に残っているのは華やかな部分だけではありません。
私は会場が出来上がる前の、設営しているところから見ることができました。
運営に携わる方々が汗をかきながら会場を作っている。
そしてスポンサーの方々の支援がある。
華やかな競技の裏側には、本当に多くの方々の力がある。
これはドラコンに限ったことではありませんが、実際にその姿を見ることで、改めて感じることができました。
久しぶりに感じた「飛んでいく」感覚
全国大会でも予選からスタートしました。
やはり全国大会です。
「飛ばしたい」という気持ちもありました。
ただ、最後は自分がやるべきことに集中して振ることができました。
そして、しっかり枠の中を捉えた一球。
記録は、294ヤード。
その時の感触は、今でも覚えています。
「ああ、飛んでいったな」
ここ何年も味わっていなかったような感覚でした。
しかも、以前飛ばしていた頃のスイングとは、自分の中ではまったく違う感覚でした。
力いっぱいクラブを動かすというより、クラブの重さや身体の動きを使って振っていく。
それまで学んできた遠心力というものを、自分自身のスイングの中で感じることができた一球だったように思います。
そして予選を勝ち抜き、最後は3人で争う決勝まで進むことができました。
今までにない緊張感
決勝は、それまでとはまた違った雰囲気でした。
一人ずつ名前をコールされ、音楽が流れる。
その中で3人の選手が飛距離を競います。
ティーアップをしようとした時、自分の手が少し震えているのを感じました。
プロとしていろいろな競技を経験してきましたが、それまでとはまた違った緊張感でした。
それでも、なんとかボールを打つことはできました。
ただ、自分の中には少し迷いがあったように思います。
予選の時のように、やるべきことだけに集中し切れなかった。
結果は、全国3位。
そして、この大会で私が記録した最長飛距離は297ヤードでした。
300ヤードまで、あと3ヤード。
もちろん悔しさもありました。
「まだ飛ばす方法があるんじゃないか」
「もっとできることがあるんじゃないか」
技術だけではなく、メンタルも含めて、ドラコンも一つの競技として本当に奥が深いものだと感じました。
50代になって、もう一度飛距離が伸びた
でも、この挑戦を振り返ってみると、私にとって一番大きかったのは順位ではなかったように思います。
挑戦を始める前、私のドライバーの飛距離は240〜250ヤードほどになっていました。
そこからクラブを変えただけでは十分ではないことを、最初の予選敗退で知りました。
身体について学ぶ。
自分の感覚と実際の動きの違いを知る。
何のために練習するのかを明確にする。
そして、クラブの重さやシャフトのしなり、遠心力を使って振る。
そうしたことを一つずつ試した結果、50代になってから297ヤードまで飛ばすことができました。
約50ヤード。
条件の違いもありますから、単純に数字だけを比べることはできません。
それでも私自身にとって、
「年齢を重ねても、まだ変わることができる」
と実感できた経験でした。
そして何より、
飛ばすことは、やっぱり楽しい。
ゴルフを始めた頃にも感じていたような、ボールが遠くへ飛んでいく面白さを、50代になってもう一度味わうことができました。
遠心力は、ただ振り回すことではなかった
ただし、この挑戦には続きがあります。
ドラコンが終わって普通のゴルフに戻った時、少し困ったことが起きました。
ドラコンでは飛ばすためにフルスイングを繰り返していました。
その感覚が残り、普通にゴルフをしていても、すべてのクラブをフルスイングするような感覚になってしまったのです。
そこで、もう一度考えることになりました。
遠心力を使うということは、ただ思い切り振り回すことではない。
では、通常のゴルフスイングの中で、どうすればクラブの力や遠心力を自然に使うことができるのか。
ドラコンへの挑戦で学んだことを、私はもう一度整理することになります。
そして、その考えがその後、私の中で**「遠心力スイング」**として少しずつ形になっていきました。
さらに、それまで学んできたことを整理していった先に、**「ユニバーサルスイング」**という考え方、そして一冊の本へとつながっていきます。
その話は、次回書いてみたいと思います。







