どこまで飛ばせるのだろう

― ドラコンへの挑戦と、身体を学ぶきっかけ ―

前回、友人のドライバーを借りて軽く振ってみたところ、自分のクラブよりも飛距離が出た経験について書きました。

当時の私は、以前に比べてドライバーの飛距離が落ちてきたことを感じていました。

以前はもう少し飛んでいたのですが、その頃はだいたい240〜250ヤードくらい。

ところが友人のクラブを借りて、力を入れずに振ってみると、それまでより30ヤード近く飛距離が伸びました。

そこで私の中に、一つの興味が生まれました。

「今の自分は、いったいどこまで飛ばすことができるんだろう?」

55歳以上のドラコン競技へ

私の知人にドラコン競技へ出場している方がいたこともあり、ドラコンという競技自体は以前から身近な存在でした。

そして、55歳以上のカテゴリーがあることも聞いていました。

「それなら、自分も一度挑戦してみようかな」

そう思うようになりました。

やはりゴルファーにとって、ボールを遠くへ飛ばすことは、ゴルフの醍醐味の一つだと思います。

年齢とともに飛距離が落ちてきていた自分が、クラブの使い方や身体の使い方を変えることで、どこまで飛ばせるのか。

それを自分自身で試してみたくなりました。

初めてのドラコンは、予選敗退

そして実際に、ドラコン競技へ初めて挑戦しました。

ところが、やってみると簡単ではありませんでした。

ドラコンは、ただ遠くへ飛ばせばいいわけではありません。

決められた枠の中にボールを入れなければ、記録にはなりません。

初めての経験だったこともあり、思うようにはいきませんでした。

クラブを変えたことで飛距離は伸びていましたが、それだけで十分というわけでもありませんでした。

結果は予選3位。

決勝へ進むことはできませんでした。

そして何より自分の中に残ったのが、6球打ったうち、枠の中に入ったのがわずか1球だったという結果でした。

飛ばそうとすればするほど、方向性が安定しない。

距離を伸ばしながら、決められた枠の中にも入れなければならない。

この結果を受けて、

「クラブを変えるだけではダメだ。何かを変えなければいけない」

と思うようになりました。

今振り返ると、この最初の予選敗退が、自分自身をもう一度見直すきっかけになったのだと思います。

「ボールを打たずに学ぶゴルフレッスン」

ちょうどその頃、私はある整体の会社と一緒に、少し変わったゴルフレッスンを行っていました。

それが、

「ボールを打たずに学ぶゴルフレッスン」

です。

室内でバスタオルを振ったり、短いクラブを振ったりしながら、私がゴルフスイングに必要な動きをお伝えする。

そして、その動きをするために必要な身体づくりを、トレーナーの方に指導していただく。

あえて、ボールは打ちません。

これには私なりの理由がありました。

ボールが目の前にあると、どうしても、

「ボールに当てたい」
「うまく打ちたい」

という意識が出てきます。

すると、本来練習したかった身体の動きやクラブの動きよりも、「ボールを打つこと」に意識が向いてしまうことがあります。

逆にボールがなければ、

「今、自分は何を練習しているのか」

に集中しやすくなります。

ボールを打つために、まず何を身につけなければならないのか。

そこを明確にしたかったのです。

この考え方は、今でも私のレッスンの中に残っています。

今度は、自分自身が身体を学んでみよう

このレッスンを一緒に行っていたトレーナーの方々と話をしたり、お客様への指導を見たりする中で、私自身も身体について興味を持つようになりました。

そして、最初のドラコン予選での敗退もありました。

「もっと飛ばしたい。でも、ただ力を入れて振るだけではダメだ」

そこで今度は、自分自身が身体についてきちんと学んでみようと思いました。

実を言うと、私はもともとトレーニングがそれほど好きな方ではありませんでした。

それでも、

「一度、自分の身体について、自分自身で経験しながら知ってみよう」

と思い、トレーニングを受けることにしました。

実際に身体について学び、自分で動いてみると、いろいろな発見がありました。

特に印象的だったのは、

自分が思っている身体の動きと、実際の身体の動きにはズレがある

ということでした。

身体がどのような構造になっていて、どこが動き、どこが動きにくいのか。

それを知ることで、ゴルフスイングを見る時の自分自身の考え方も少しずつ変わっていきました。

ドラコンのために始めたことでしたが、結果として、普段のゴルフレッスンにも非常に大きな学びになりました。

ボールを打つ前に、まず振る

そこから私は、身体づくりと並行して、クラブの振り方そのものも改めて練習するようになりました。

まずはボールを打たずに素振りをする。

ヘッドスピードを測ってみる。

そして次に、実際にボールを打ちながらミート率を高めていく。

ただ闇雲にたくさんボールを打つのではなく、

「今は何を身につけるための練習なのか」

を自分なりに分けて考えるようになりました。

クラブの重さ。

シャフトのしなり。

遠心力。

そして身体の使い方。

それまで別々に学んできたものを、自分自身の身体で試しながら、一つずつつなげていきました。

数か月後、もう一度予選へ

そうした取り組みを続けて、数か月。

私はもう一度、ドラコン競技の予選に挑戦しました。

最初の挑戦では予選3位。

6球中、枠の中に入ったのはわずか1球。

そこから自分の身体を学び、クラブの振り方を考え、練習方法も変えてきました。

そして迎えた2度目の挑戦。

今度は、予選1位で通過することができました。

最初の予選で決勝に進むことができなかった自分が、数か月後には1位で予選を通過する。

自分が取り組んできたことが、少しずつ結果として表れ始めた瞬間でした。

そして全国大会への出場が決まりました。

会場は鹿児島です。

ドライバー1本を持って、鹿児島へ

ここで私は、今までのゴルフ人生では経験したことのないことをしました。

ドライバー1本だけを持って、鹿児島へ向かったのです。

いつもの試合なら、キャディバッグの中にはドライバーからアイアン、ウェッジ、パターまで入っています。

ところが今回は、ドライバーだけ。

その一本を持って全国大会へ向かう。

なんとも不思議な感覚でした。

でも同時に、

「今の自分は、どこまで飛ばせるんだろう」

というワクワクした気持ちがあったことを、今でも覚えています。

この鹿児島での挑戦で、私はここ何年も味わっていなかった飛距離を、再び経験することになります。

年齢とともに240〜250ヤードほどまで落ちてきていた飛距離。

それが、クラブを見直し、身体を学び、練習方法を変えていくことで、どこまで変わったのか。

そして、最初の予選敗退から何を学んだのか。

その結果は、自分にとっても大きな手応えとなりました。

その話は、次回書いてみたいと思います。

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