世界で戦うプロ、カルロス・フランコから学んだこと

以前、バランスやビジョントレーニングの先生との出会いから、身体の使い方や「動きの流れ」について学んだことを書きました。

その後、私には、それを実際のゴルフの中で感じる大きな経験がありました。

パラグアイ出身のプロゴルファー、カルロス・フランコ選手のキャディを約1年間務める機会をいただいたのです。

フランコ選手は、南米からアジア、ヨーロッパ、日本、そしてアメリカへと活躍の場を広げ、世界で戦ってきた選手です。

私はキャディとして約1年間、すぐそばで彼のゴルフを見ることになりました。

流れるようなスイング

フランコ選手のスイングを毎日のように見ていて、特に印象に残ったのが、その滑らかさでした。

アドレスしてからボールを打つまでに、どこかで無理に止めたり、力を入れたりする感じがない。

スイング全体に角がなく、流れるようにクラブを振っていました。

私には、力でクラブを振っているというより、

クラブそのものの重さを上手に使っている

ように見えました。

それは以前、バランスやビジョントレーニングの先生から教えていただいた、

「止めてから動くのではなく、動きの流れを大切にする」

という考え方とも、どこかでつながっているように感じました。

毎週のように、そのスイングを一番近い場所から見続ける。

これは私にとって、どんな説明を聞くこととも違う、大きな学びになりました。

「僕は負けたと思っていない」

そして、フランコ選手から学んだのはスイングだけではありませんでした。

私が初めてキャディをした試合で、彼は初日から安定したプレーを続け、優勝争いをしていました。

最終的な結果は2位。

試合後、彼が私に話した言葉が今でも印象に残っています。

「優勝はできなかった。でも、僕は負けたと思っていない。」

優勝した選手には、非常に素晴らしいスコアを出した一日がありました。

でも自分は、4日間を通して安定した良いプレーができた。

だから、自分のゴルフを否定する必要はない。

私はその言葉を聞いて、

「世界で戦う選手は、結果をこういうふうに捉えるのか」

と、とても驚きました。

優勝したか、負けたかという結果だけではなく、自分が4日間どんなプレーをしたのかを見る。

この考え方は、当時の私にとってとても新鮮なものでした。

「ここで狙う」

また、こんなこともありました。

ある試合で、フランコ選手にとってあまり調子の良くない日がありました。

ホールインワン賞がかかったショートホールに来た時、彼が突然、

「ここで狙う」

というようなことを私に言いました。

そして打ったショットは、本当にピンに当たりました。

残念ながらホールインワンにはなりませんでしたが、本当にあと一歩というショットでした。

その時に感じたのは、技術だけではない、ここぞという時に自分の力を出す勝負強さでした。

パラグアイで見た、もう一つの姿

その後、私はフランコ選手の母国パラグアイに約1か月滞在し、彼の家族や友人、兄弟の方々とも時間を過ごす機会をいただきました。

彼が生まれ育った場所も案内してもらいました。

決して恵まれた環境ではなかったと思います。

しかし彼は、その場所をとても誇らしそうに、

「ここが自分の生まれた場所だ」

と話してくれました。

その姿も、今でも私の記憶に残っています。

そして、もう一つ印象的だったのが、彼の環境に順応する力です。

世界のさまざまな場所でプレーする中で、その土地へ行けば、その土地の言葉を覚えようとする。

日本では片言でも日本語を話そうとし、アメリカへ行けば英語を身につける。

自分のいる環境に合わせながら、そこで自分の力を発揮できるようにしていく。

私はそこにも、世界で戦い続ける選手の強さを感じました。

一年間、一番近くで見て学んだこと

レッスン書を読む。

先生から教えていただく。

自分で練習する。

もちろん、それらも大切です。

でも、世界で戦う選手のすぐそばで、約1年間そのプレーを見続けるという経験は、それまでとはまったく違うものでした。

スイングだけではありません。

試合への向き合い方。

結果の受け止め方。

勝負どころでの集中。

環境が変わっても前へ進んでいく姿勢。

私はキャディをしながら、本当に多くのことを学ばせてもらいました。

そして特に、フランコ選手の流れるようなスイングは、私の頭の中に強く残りました。

力で振るのではなく、クラブの重さを使う。

止まったところから無理に動き出すのではなく、流れの中でスイングする。

それまで先生方から学んできたことと、目の前で見ている世界レベルの選手の動きが、私の中で少しずつつながり始めていたのだと思います。

そして、フランコ選手が母国へ帰っている間に、今度は私自身が試合に出場する機会をいただきました。

キャディをしていたため、十分な練習ができていたわけではありません。

それでも私の頭の中には、約1年間見続けた、フランコ選手の滑らかなスイングのイメージが残っていました。

そのイメージを持って試合に出た時、

自分でも想像していなかった「ハーフ28」というスコアが出ることになります。

しかし、その一日の中で私は、良いプレーができる時と、結果を意識した途端にプレーが変わってしまうという、不思議な経験もしました。

当時は、その理由をうまく説明することができませんでした。

ところが何年も経ち、バランス、ビジョントレーニング、そして現在学んでいるメンタルについて理解が深まってきたことで、

「あの時、自分の中で何が起きていたのか」

が、少しずつ分かるようになってきました。

次回は、私自身が経験した**「ハーフ28」**と、その時に起きていたことについて書いてみたいと思います。

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