軽く振ったのに、なぜ飛んだのか

― 遠心力スイングへの気づき ―

前回、フランコ選手のスイングからクラブヘッドの動きに興味を持ち、永井延宏プロからクラブの重心について学び、さらにバランスの先生から、

「クラブ全体の重さと考えてみたらどうですか?」

という新しい視点をいただいたことを書きました。

少しずつ私の中で、

「自分がクラブを動かす」から「クラブそのものの力を使う」

という方向へ、スイングに対する考え方が変わり始めていました。

そんな時、私の考え方をさらに大きく変える出来事がありました。

友人のドライバーを打ってみた

ある日、友人とラウンドしていた時のことです。

当時、私が使っていたのは、比較的ヘッドが小さく、シャフトも硬めのドライバーでした。

一方、友人が使っていたのは、当時としては新しいタイプのドライバー。

ヘッドが大きく、重心も深く、シャフトも軽くて、しなりを感じるクラブでした。

興味があったので、打たせてもらうことにしました。

持った瞬間、自分のクラブとはずいぶん違うことが分かりました。

軽い。

そして、シャフトもしなる。

私は、

「いつものように強く振ったら、どこへ行くか分からないな」

と思い、7〜8割くらいの感覚で軽く振ってみました。

すると、驚きました。

自分のクラブで打ったボールより、30ヤード近く先まで飛んでいたのです。

「なぜ、軽く振ったのに飛んだんだろう?」

一生懸命振ったわけではありません。

むしろ逆です。

いつもより力を入れずに振った。

それなのに飛んだ。

この経験は、私にとって非常に大きなものでした。

それまでは、飛ばそうと思えば、

「もっと速く振ろう」
「もっと強く振ろう」

という意識が、どこかにありました。

でも、この時に起きたことはその逆でした。

自分が頑張ってクラブを振らなくても、クラブには重さがあり、シャフトにはしなりがある。

クラブそのものが持っている力を、もっと上手に使うことができるのではないか。

そう考えるようになりました。

今まで学んできたことが、つながり始めた

そこで、それまでの経験を振り返ってみました。

フランコ選手の、力感の少ない流れるようなスイング。

永井延宏プロから学んだ、クラブの重心。

バランスの先生から教えていただいた、クラブ全体の重さ。

そして、ジュニアの子どもたちに教えていた、

「ブランコみたいに、ブランブラン振ってみよう」

という感覚。

それまでは別々のものとして考えていたことが、自分自身で「軽く振ったのに飛んだ」という経験をしたことで、少しずつつながってきました。

そこで私が考えるようになったのが、

「遠心力を使って振る」

ということでした。

自分が頑張るのではなく、クラブの力を使う

ゴルフクラブには、重さがあります。

長さがあります。

シャフトはしなります。

それらを自分の力だけで無理に動かすのではなく、クラブが持っている力を利用する。

自分がクラブを何とかしようとするのではなく、クラブが自然に動こうとする力を邪魔しない。

この考え方は、以前バランスボードで教えていただいたこととも、私の中ではつながっていました。

バランスを取ろうと頑張りすぎると、身体に力が入り、かえってバランスが取れない。

余計な力を使わず、動きに自分を合わせることで、自然にバランスが取れる。

クラブについても、同じことがあるのではないか。

そんなことを考えるようになりました。

「まだ飛ばせるかもしれない」

当時の私は、以前に比べて飛距離が落ちてきたことも感じていました。

でも、この経験によって、

「年齢を重ねても、クラブの力を上手に使えば、まだ飛ばせるのではないか」

と思うようになりました。

クラブの重さ。

シャフトのしなり。

そして遠心力。

それまで学んできたことを、今度は自分自身でもっと試してみたくなりました。

そこで私は、一つの目標を作ることにしました。

55歳以上のカテゴリーがあった、ドラコン競技への挑戦です。

「本当に自分は、どこまで飛ばせるのだろう。」

この挑戦をきっかけに、私はクラブだけではなく、自分自身の身体の構造や使い方についても学ぶことになります。

そして、この経験が、その後の私の**「遠心力スイング」**の基盤となっていきました。

その話は、次回書いてみたいと思います。

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