私のレッスンの考え方を変えた、二つの出会い

私がゴルフのレッスンを始めてしばらくした頃、雑誌の取材で福島を訪れる機会がありました。

そこで出会った二人の先生から教えていただいたことが、その後の私のレッスンの考え方に大きな影響を与えることになります。

一人目は、身体の使い方やバランスについて教えてくださった先生です。

そこで初めて「バランスボード」を体験しました。

最初の私は、ボードの上で倒れないように足を踏ん張り、手を広げ、何とかバランスを取ろうとしていました。

すると先生から、

「手や足で固定しようとしないでください」

と言われました。

足を閉じて真ん中に立ち、手も使わず、足でも踏ん張らない。

ボードの揺れを止めようとするのではなく、その揺れに身体を合わせていく。

すると不思議なことに、それまで一生懸命バランスを取ろうとしていた時よりも、自然に立つことができました。

さらに、左右に動きながら少しずつ動きを小さくしていくと、

「ここだ」

という自然に安定する場所が見つかりました。

その時に教えていただいたのが、

「バランスは取るものではなく、自然に取れるもの」

という考え方でした。

私にとって、これは大きな発見でした。

身体を無理に動かしたり、形を固定したりするのではなく、自然に動ける状態をつくる。

この考え方は、その後の私のスイングやレッスンの原点の一つになりました。

そして、もう一つの体験

同じ時に、目の使い方を研究されているビジョントレーナーの先生とも出会いました。

そこで体験したのが、レーザーを使った射撃です。

最初は普通に的を見て、

「しっかり狙って当てよう」

としました。

ところが、撃つ瞬間になると手元がわずかに動き、なかなか思ったところに当たりません。

そこで先生から、面白い方法を教えていただきました。

左右に二人が立ち、それぞれグー・チョキ・パーを出します。

私は的だけに集中するのではなく、左右の二人も視野に入れ、二人が同じものを出した瞬間に撃つという方法です。

さらに、バランスボードの上でも行いました。

最初は、

「こんな状態で本当に当たるのだろうか?」

と思いました。

ところが実際にやってみると、不思議なことに自然と的に当たったのです。

そこで教えていただいたのが、

「見ようとしすぎない」
「集中しすぎない」

ということでした。

もちろん、集中することが悪いわけではありません。

大切なのは、何に、いつ集中するのか。

当てよう、当てようと結果に意識が向きすぎると、身体に余計な動きが出てしまう。

必要な準備をしっかりとしておいて、その瞬間が来たら実行する。

準備をしたら、あとはやるだけ。

私はこの時、すぐにゴルフ、特にパッティングを思い浮かべました。

「絶対に入れたい」

そう思えば思うほど、打つ瞬間に何かをしようとしてしまいます。

でも大切なのは、その前に構えや方向、距離感などの準備をしておくこと。

そして、打つ時には余計なことをしない。

この経験も、その後の私自身のゴルフやレッスンに大きく影響しました。

二つの体験から学んだこと

今振り返ると、この二人の先生から教えていただいたことには、共通するものがあったように思います。

バランスを取ろうとしすぎない。

的に当てようとしすぎない。

これは決して、

「頑張らなくていい」

ということではありません。

むしろ大切なのは、

頑張るところを間違えないこと。

結果を出そうとして、その瞬間に何とかしようとするのではなく、結果につながる準備をきちんとしておく。

身体が自然に動ける状態をつくる。

クラブが自然に動ける状態をつくる。

そして、準備ができたら実行する。

私がレッスンを始めた頃は、いろいろなレッスン書や理論を学び、自分なりに解釈しながらお客様に伝えていました。

しかし、この福島での二つの体験をきっかけに、

「どう動かすか」を教えるだけではなく、
「自然に動ける状態をどうつくるか」

ということを考えるようになりました。

その後も多くの方から学び、自分自身も試行錯誤を続けてきました。

今でも、私のレッスンは進化の途中です。

ただ、この時に身体で感じた二つの経験は、現在の私のレッスンの考え方につながる、大きな原点の一つだったと思います。

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